ゼロの肖像 「トキワ荘」から生まれたアニメ会社の物語

著:幸森 軍也 監・装画:鈴木 伸一
定価:1,870円(本体1,700円)

「やろうよ、漫画映画を」――トキワ荘から飛び出した才能たちが、会社に集ってマンガをアニメを創った! 藤子・F・不二雄『パーマン』、石ノ森章太郎『佐武と市捕物控』、藤子不二雄A『怪物くん』、赤塚不二夫『おそ松くん』。テレビアニメ草創期に東映動画、TCJ、タツノコプロと競い、15分1本というスタイルに日本で初めて挑んで『オバケのQ太郎』を生んだ「スタジオゼロ」。その濃密な7年間の歴史、ここに初めて再現!

「第二のトキワ荘」となった幻のアニメ・マンガ制作会社「スタジオゼロ」初の評伝! 東映動画、TCJ、タツノコプロなどアニメ産業の草創期も活写!

●「やろうよ、漫画映画を」
 ふだんはもの静かな藤本弘が口火を切った。
「雑誌漫画とちがって、音や動きが加わるんだもんね」
 藤本の横顔を安孫子素雄がうなずきながら見た。
「でも大変なんだろ、漫画映画って」
 つのだじろうが他の四人の顔を心配そうに窺っている。
「個人じゃムリだ、会社を作らなきゃ」
 石森章太郎が決めつけるようにいった。
 鈴木伸一は彼らの提案をなかばうれしく思い、なかばとまどいながら聞いていた。
(本文より)

●「テレビアニメ黎明期の中に生まれ、
てんやわんやで作品を作りながら、
その時代の主役にはなりきれず使命を終えた『スタジオゼロ』。
私はこの会社が限りなく愛おしい」
(鈴木伸一)

ゼロの肖像 「トキワ荘」から生まれたアニメ会社の物語

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