家族論

著:レオン.バッティスタ・アルベルティ 訳:池上 俊一 訳:徳橋 曜
定価:3,630円(本体3,300円)

現代人も必読の、成功と幸福を追求する名門貴族の処世術
「物事への配慮と熱意は富の母である」
「富を得るために、美徳を失ってはいけない」
「侮辱を許せば、不正な男を支援することになる」
「怒ったまま、子供を叱るな」
ルネサンスを代表する万能の天才が、家族・仕事・結婚・友情について語り尽くす
本邦初訳

家の納屋を食べ物でいっぱいにすることは、父親の務めだが、それ以上に、一家の長たる者はすべてに目を配り、同居する者みんなを監督し、知っていなければならない。家の内外での平生の行動を吟味し、家族のなかの誰であれよからぬ習慣を持っていたら、感情的に怒るよりもむしろ理を説いて、それをいちいち正し、改めさせなければならない。一方的に命令するより、何が役に立つかを助言してみせ、謹厳実直、必要とあらば厳格でもなければならない。家族のひとりひとりが美徳と賞賛に恵まれるように導く努力をし、また助言を怠らないが、つねに家族全体の福利・安寧・平穏に気を配らなければならない。父親は世間の風向きや好意や潮流、同輩の市民たちの厚情をうまく読んで、名誉や尊敬や権威という港に入る術を知らなければならない。――<「第1書」より抜粋>

家族論

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