青く滲んだ月の行方

著:青羽 悠
定価:1,540円(本体1,400円)

「ここからどうすればいい?」僕がこう思っている時、きみは。
若者の真実を描く感動共作!!

何かを「好き」と言える人を眩しく感じる隼人、
「女の子との遊びはクレーンゲームみたいなもの」と言ってみせる大地、
高校時代までは、周囲から認められて自信を持っていた和弘、
仲間が何に苦しんでいるのか分からず、寄り添えない自分に絶望するBーー
「なりたい自分」に向かってひとり藻掻く、"大人未満"の4人の物語。

『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる世界ーー

●ニシダ(ラランド)
あの頃の感受性が戻ってきて痛くて気持ちいい。

●瀧井朝世(ライター)
どんな人間にも、その人だけの真実があるのだと改めて気づかされた。

<第1話 端正な夜>
恋人の咲良に別れを告げられた隼人。1年半付き合っていたはずなのに、胸は痛まないことに動揺する。サークル同期の皐月は、自分の好きなことを活かせる業界に就職したいらしい。それに比べて隼人は、手堅い企業ばかり受けていた。恋人と別れて「悲しい」、サークル活動が「楽しい」、あの会社に「就職したい」。それは、本当に自分の感情なのかーー?

<第2話 街の地球人たち>
大学2年生の大地は、女の子を絡め取って過ごしている。友達の俊也は最近また、彼の人生を狂わせた女と連絡をとっているらしい。サークルのあの子も、マッチングアプリで出会ったあの子も、幼なじみの俊也のことさえも、全然わからないーーそうもがく大地がとった行動とは?

<第3話 途方>
留年続きで三回目の大学3年生となってしまった和弘。ついに実家に帰らなくてはならない――。喫煙所で出会った綾香が、なぜか和弘の帰省に付き合うと言い出し、一緒に海沿いの故郷へ向かうことになった。大学に入ってからずっと「何かが違う」と感じていた和弘。過去と現実の間で揺れる、二人の逃避行が始まる。

<第4話 αを待ちながら>
クラスメイトのAが自殺した。放課後、校舎の三階から飛び降りたらしい。演劇部のBは、それからなぜか脚本が書けない。空想の悲劇とは違う、本物の悲劇。今まで書いてきた不幸な出来事について、自分は何を思っていた? 無自覚な残酷さについて思い悩むBは、非常階段でαと出会う。どうやら、彼女もAの自殺について考えることがあるようでーー

<第5話 逆三日月>
就職して2年半、隼人は後輩の大地と大学の学園祭に顔を出した。いつまでも続くと思っていた学生生活が今となっては遠く、当時心に秘めていた自分に対する葛藤や悩みも、すっかり過去のものになってしまったと気がつく。一方で、最近の大地は特別な女性との付き合いを続けているらしくーー

青く滲んだ月の行方

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