友達未遂
「これでみんな共犯者ね」。少女たちは傷つき、悩み、自分たちの道を選び取る。全寮制女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり、規律に厳しいことで有名だった。さらに同校には「マザー制度」というものがある。新入生を「チャイルド」、3年生を「マザー」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。伝統と格式のある学園の寮で、不審な事件が次々と起きルームメイト4人が巻き込まれていく。
――書評家 大矢博子氏「すべての世代に薦めたい一冊だ」
四人が悩みを分かち合い助け合うというような、安易な展開ではない。彼女たちは友達ですらない、ただのルームメイトだ。だがそのルームメイトがわずかな綻びや変化を見たとき、彼女たちがそれぞれどんな行動に出たか、どうかじっくり確かめてほしい。自分のことで手一杯だった少女が、きっかけはどうであれ、動機は何であれ、他者に目を向ける――それは「自分だけの世界」から「他者と関わる世界」への転換点なのである。
――書評家 村上貴史氏「ひりひりとした緊張感に支配された物語」
いや素晴らしい。
とにかく素晴らしい。
そう手放しで褒め称えたくなるほどに、『友達未遂』は素晴らしい。
〈ストーリー〉
創立130年の全寮制年女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり規律に厳しいことで地元では有名だった。さらに同校には特徴的な「マザー制度」というものがある。3年生を「マザー」、新入生を「チャイルド」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。入学式の3週間前早々に同校にやってきた一之瀬茜は、家庭に居場所がなかった。一人で生きていくことを誓っていた茜はしかし、マザーである緑川桜子にかわいがられ、とまどう。そんな茜の周りである日不審な事件が起きた。茜と桜子、ルームメイトの真琴と千尋の4人は事件をきっかけに自分たちの運命と向き合うことになって・・・・・・。
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