名画修復
ゴッホは絵の命を延ばすためにあらゆるテクニックを駆使した。
1949年1月26日、法隆寺の金堂から出火、壁に描かれた日本最古の絵画は無惨にも焼けただれた。幸い外形だけは残ったものの、火を浴びた壁画は、綜が消失したり、逆に化学変化で浮き出したりした奇妙な絵であった。1990年より、この絵は最新のコンピュータで図像解析され、1994年、当時の材料で、色鮮やかに甦った。ところで、修復作業中に興味深い事実がわかった。この絵は、型紙を用いて、極めて規格的に制作されたものだったのである。高松塚古墳の壁画も同じ手法で描かれたこともわかった。名画の復元は、時として思いもかけない事実を呼び起こすことがあるのである。
※この製品は、品切重版未定となっております。