ぼくのおじさん

著:川渕 圭一 絵:なかだ えり
定価:1,540円(本体1,400円)

ゆっくりでいいじゃない、自分らしく生きよう。
『研修医 純情物語 先生と呼ばないで』著書の第2作。

勉強がキライな、ふつうの小学生の”ぼく”後藤シゲル。ふつうのようで、ふつうでないかもしれない、おじさん。大好きなおじさんが見ていた、おかしくて、ちょっぴりほろにがい”ぼく”の9年間。

「おじさんは、どんな中学生だったん?」
ぼくはおじさんにきいた。そんなことをきいたのは、はじめてのことだった。いつのまにかモトクロスの練習は終わっていて、きこえるのは、絶え間ない川の流れの音だけだった。
「そうねぇ、タツオ君ほどじゃないけど、デブだったし、運動神経もニブかったな。でもキホン的には、いまとあんまり変わらないと思うよ。気が小さくて、ちょっとドジで……。どこにいるのかわかんないような、サエない中学生だったね」
「なんか、ほかの子たちとちがうとこは、あったん?」
「そうね……しいていえば、毎日いじめられてたことくらいかな」
「――なんだそれ? そんな答え、ぜんぜん期待してなかったよ。」
(「第7章 おじさんが中学生だったころ」より)

ぼくのおじさん

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