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存在しない小説 いとうせいこう

存在しない小説

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フィラデルフィア、ペルー辺境の村、クアラルンプール、東京、香港、クロアチアの浜辺……

世界各地を舞台に、それぞれ異なる作家名をもつ6編の短編小説。それらは編者・いとうせいこうによって見出された、この世には「存在しない小説」!?物語の魅力とスリリングな仕掛けに満ちた、新しい世界文学が誕生した!

表紙

『存在しない小説』
編者:いとうせいこう
定価:本体1,400円(税別)

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『存在しない小説』を推薦します!

この驚嘆すべき作品は、もし「編いとうせいこう」と示されていなかったら、世界各国の実力ある作家6人が書いた短編アンソロジーだと思うだろう。どの一篇も、その作家の代表作と呼べるような傑作ぞろいだ。なぜいとうせいこうは、文化のまったく違う6人の作家になりきって、ネイティブの作家が書いたかのようなリアルな世界を、「翻訳」できたのか? それは『想像ラジオ』と同じ想像力を使ったからだ。そしてそれは私たち読者が、小説を読むときに普通に駆使している力なのだ。想像力を使えば、死者も存在を顕わにするし、知らない土地の存在しない作家とその作品までも現すことができる。『想像ラジオ』の世界を、国境も越え、人種も民族も越え、生死の境も超えて豊かに広げてしまったのが、『存在しない小説』だ! 小説の中に地球が丸ごと存在している。

星野智幸さん(作家)

知的な刺激に満ちあふれた、まさに読者への大いなる挑戦状ともいえる作品。“物語に巻きこまれる”ような、味わったことのない読み応えは快感でさえある。間違いなく今年最高に「語り合いたくなる一冊」だ。

(三省堂書店 営業本部 内田剛さん)

無数の物語が世界にあり、私の奥深くにも眠っているかもしれない。私のまだ形のない物語に耳を傾けたくなりました。

(SHIBUYA TSUTAYA 内山はるかさん)

『存在しない小説』という題名を意識すればするほど、描かれた風景が鮮やかに立ち上がってくる。小説の可能性を見、小説に対して怖れと謙虚さを持つこの作家に、わたしは信頼を覚える。

(紀伊國屋書店 新宿本店 今井麻夕美さん)


いとうせいこうプロフィール

1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。
早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て音楽、舞台、テレビなど様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』で作家デビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。2013年、『想像ラジオ』が第35回野間文芸新人賞を受賞した。他の著書に『ワールズ・エンド・ガーデン』、『解体屋外伝』、『ゴドーは待たれながら』(戯曲)、『文芸漫談』(奥泉光との共著、文庫化にあたり『小説の聖典』と改題)、『Back 2 Back』(佐々木中との共著)などがある。