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恋歌(れんか) 朝井まかて

恋歌 表紙

明治の歌塾「萩の舎」で樋口一葉の姉弟子に当たる三宅花圃が目にした手記には、師である中島歌子の心の声が刻まれていた。人気歌塾の主宰者として一世を風靡し多くの浮き名を流した歌子は何を思い、胸に秘めていたのか。中島歌子は、幕末の江戸で熱烈な恋を成就させ、天狗党の志士に嫁いで水戸へ下った。だが、尊皇攘夷の急先鋒だった天狗党はやがて暴走する。内乱の激化にともない、歌子は夫と引き離され、自らも投獄され、過酷な運命に翻弄されることになる。

“君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ”

代表歌に込められたあまりにも切ない真情。そして、歌子が下したある決断とは──。

『恋歌』
著者:朝井まかて
定価:本体 1,600円(税別)

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朝井まかて(あさい・まかて)

1959年、大阪生まれ。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。人の心の機微に触れる細やかな筆遣いと一筋縄ではいかない話しの運びで、時代小説に新風を吹き込み、注目を集めている。『恋歌』で2013年、本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(「オール讀物」12月号)し、直木賞受賞。他の著書に、江戸の庭師一家の奮闘を描く『ちゃんちゃら』、大坂の青物問屋を舞台に浪華男と江戸娘が恋と仕事の火花を散らす『すかたん』、女三人組のお伊勢詣り珍道中を活写する『ぬけまいる』などがある。
著者写真
読書各界からの絶賛の声、多数!

直木賞選考委員

伊集院静氏
恋愛小説は小説の起源であり、絶えることのないテーマである。一途の恋を描く、一途の女性作家が蝶に化身した。
桐野夏生氏
最初から頭ひとつ抜きん出ていた。すこぶる面白く、引き込まれる。
東野圭吾氏
これまであまり語られることのなかった史実を、見事に娯楽小説に仕立て上げている。じつにドラマチックで、作品に力があった。

作家・評論家

葉室麟氏(直木賞作家)
女性はこれほどまでに恋を抱いて生きるのか。刺激になった。
縄田一男氏(文芸評論家・日本経済新聞2013年8月28日夕刊)
私はこの作品の後半を幾度も読み返した。そして読み返しながら、1人の作家の才能というものが大きく開花し、読者の心を鷲掴みにするさまを体験した。本書は、紛れもなく作者の最高傑作であり、本年度におけるベスト作品である。
大矢博子氏(書評家・産経新聞2013年10月20日)
どうしてこんなことになってしまったのか。その叫びが、慟哭が、鋭く読者の胸を抉る。やりきれない。たまらない。でも読むのをやめられない。後に、朝井まかて初期の傑作と呼ばれることは間違いない。必読の一冊である。
細谷正充氏(文芸評論家・週刊朝日2013年11月8日号)
天狗党を題材にした歴史小説には名作が多い。作者は、妻という視点を武器にして、これに挑んだ。その試みは、見事に成功した。徹頭徹尾、女性の立場から描くことで、本書は新たなる物語となった。構成も鮮やか。読みごたえのある作品だ。

書店

謀反人の家族は投獄、斬首。幕末の人間模様が、こんなにもすごいものだとは思いませんでした。そして、人を愛することの過酷さを知り、登世(歌子)の生き方に心を打たれました。本当に“強い”恋愛小説でした。(有隣堂・厚木店/佐伯敦子さん)

さすがは注目作家。意表をつく構成の妙もさることながら、凜とした気品を放つ筆力に感じ入った。幕末の動乱期を生き抜いた女性の運命の悲哀が、深く確かな余韻を残す。まぎれもなく「いま、読んでおきたい」一冊だ。(三省堂書店・営業本部/内田剛さん)

わずか31文字に秘められた深い情念。運命の過酷さと、豊かな愛に彩られた主人公の生涯に目も眩む思いでした。(明正堂・NTT上野店/金杉由美さん)

じっくり小説を味わいたい夜に絶品の一冊。(MARUZEN&ジュンク堂書店・梅田店/中村優子さん)

終盤明らかになる事実が胸をうつ、時代小説としても恋愛小説としても「間違いなく面白い本!」とおすすめしたい傑作です。朝井さんの代表作になると思います。(紀伊國屋書店・新宿本店/小出和代さん)

一途な想いで激動の世を生き抜いた女の見事な姿に惚れました。(ブックファースト・新宿店/田浦靖子さん)

読者

恋が成就した時には、その部分を何度も読み返して喜びました。藩士が尊王攘夷に突き進んでいく様に、何度心の中で引き止めたかわかりません。私はいつしか登場人物のそばにいました。(福岡県・20代・女性)

涙が止まりませんでした。胸が痛くなりました。今、好きな人と一緒に暮らせるありがたさが身にしみました。(北海道・40代・女性)

壮絶な過去をおくびにも出さず、命をかけて歌を詠む。そんな登世に憧憬の念を覚えずにはいられませんでした。(岐阜県・50代・女性)

作者は本当に幕末の水戸で生きていたんじゃないかと錯覚するくらいの臨場感。そして、読後も長くじわじわと感動できる力作です。(奈良県・30代・女性)

尊王攘夷の急先鋒でありながら、維新の波の中で切り捨てられた水戸藩の側から、それも天狗党の妻たちの側から描かれた小説は寡聞にして知らなかった。(岡山県・50代・男性)

恋しさと対になった憎しみ。そのふたつをひとつにするための「鎮魂」を考えた歌子。なんて強い女性。なんて劇的な人生なんだろう。(兵庫県・40代・女性)

和歌がこんなに悲しくも美しいものだと初めて知りました。命懸けの想いが込められた「恋歌」、なんて素敵な物語でしょう。(滋賀県・20代・女性)

男たちが始めた戦争に、女子どもが巻き込まれていく。31文字に秘めた壮絶な想いが、とても大きく感じます。(兵庫県・30代・女性)

本書に描かれる水戸藩の騒動は歴史の一コマとしての知識しかなかったが、誰もが筋を通した生き方を貫いていて感動的である。(神奈川県・40代・男性)

時代小説は不得手でしたが、読みやすい文体で良かったです。読後、背筋を伸ばして毎日を大切に生きようと思いました。(茨城県・50代・女性)