講談社BOOK倶楽部

愛の夢とか 川上未映子

愛の夢とか 川上未映子

  • 「アイスクリーム熱」いつも同じアイスクリームを買いにくる彼に、想いを募らせたわたしが吐いた小さな嘘。
  • 「愛の夢とか」隣家の主婦が弾くピアノの音に誘われて、わたしと彼女の奇妙な交流が始まった。
  • 「いちご畑が永遠につづいてゆくのだから」ふたりに近づく別れの予感。わたしたち、何を間違えたのだろう?
  • 「三月の毛糸」旅先のホテルで目覚めた臨月の妻は、僕に不思議な世界の話を語りはじめた。
  • 「日曜日はどこへ」あの約束を、彼は覚えているだろうか?14年前の約束の場所、思い出の植物園へと向かうわたし。
  • 「お花畑自身」わたしが隅々まで丹精して育てあげた花畑の庭が、あの女のものになるなんて。
  • 「十三月怪談」愛しあう夫婦の妻が亡くなった。死後の魂がみつめる夫の姿は……?
表紙
第49回谷崎潤一郎賞受賞!

『愛の夢とか』
著者:川上未映子
定価:本体1,400円(税別)

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川上未映子特別エッセイ 「すてきでだめな、愛の夢とか」 (「本」2013年4月号)

全国の読者モニターから、感動の声が届いています!

透明感のある文体で描かれていながら不思議なリアルさを感じる世界に惹き込まれました。形は違うかもしれないけれど、これは私が経験してきたこと・これから経験するかもしれないこと。そんな思いに包まれて、作品に懐かしさや愛おしさを感じました。愛することのどうしようもなさを味わうことができる作品。いま、何かにつながりを求めている人に。

【30代/女性/愛知県】

「わたしたちの物語がここにある」
日常の延長線上に存在している奇跡に、救われる瞬間がありました。

【30代/女性/岐阜県】

日常の中で、信じていた小さなことが、実は大きなもので、しかもそれは個人にしか意味のないものでしかないのかもしれない。だけど、同じように大切にしてくれる人を探したいし、そんな存在を信じたいという気持ちが強くなりました。

【20代/女性/愛知県】

女性特有の心模様を徒然に描いてあり、自分自身の中の「女心」が疼きました。自分の中にもある女心の儚さ、切なさ、そして強かさを大いに享受できました。日常ありがちなことがらの中に潜んでいる危ない女心を見事に描いた短編集です。

【50代/女性/東京都】

川上未映子さんのように世界を見ることができたら、私の人生ももっとキラキラして見えるかもしれない。

【20代/女性/埼玉県】

この短編集には、人のつながりの儚さと、だからこそ持ちうる強さを感じます。今まで偶然のようで必然的に出会った人々すべて、または出会うはずだったのに、なんらかのすれ違いで出会えなかった人たちに、「どこかで足をとめて、ちょっとこれ読んでみて」、と勧めたくなるような短編集でした。

【30代/男性/茨城県】

著者は、穏やかな幸福の薄幕を揺らし、それをするすると、あるいは一気に剥いで見せる。読んでいるうちに主人公と自分が置き換わってしまうようで恐ろしく、空間が歪んで自分との境目がわからなくなる。恐いのに、何だかとても惹きつけられて、瞬きできない。

【50代/女性/埼玉県】

「自分の気持ちが報われることって本当に少ないし、ないかもしれないけれど、『それでも案外生きていけるんだな』と共感できる本だよ」

【30代/女性/神奈川県】

女に生まれたなら、七つの短編のどれにでも思いあたる感情があるはず。

【40代/女性/北海道】

人と人が繋がったり、わかりあったりするのは一瞬、そんな気になるだけなのかもしれない。実は平行線だったりする。でもそれでいいんだって思わせてくれる短編集。

【40代/女性/東京都】

どの短篇にも温度がある。それも温かい、冷たいという温度だけではない。時には狂喜の中に痛みや苦さをも含む。いつの間にか感じる気配、におい、音、視野の隅に揺れる何か。いつもとはなんとなく違うと感じる、その温度差と違和感の共存する世界に心が静かに揺り動かされる。川上未映子は揺さぶるのだ。心だけではなく、五感すべてを。

【30代/女性/群馬県】

川上未映子 (かわかみ・みえこ)

1976年8月29日、大阪府生まれ。
2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』が第137回芥川賞候補に。同年、第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。本書は『すべて真夜中の恋人たち』(2011年)以来の小説作品であり、著者にとって初めての短編集となる。